京都市乳腺外科「仁尾クリニック」
主要設備紹介

主要設備紹介

手術室
全身麻酔器、人工呼吸器、電気メス(2台)、生体モニター(2台)、ビデオカメラ、赤外観察カメラ(PDE)、超音波エコー(2台)、ポータブルレントゲン撮影機などを完備しております。
マンモグラフィー(Peruru)
マンモグラフィー(Peruru)

乳癌
マンモグラフィーは、低エネルギーX線により乳房を撮影する検査です。
当院ではコンピューターによるデジタル画像処理装置を使用した高精細デジタルマンモグラフィーを行なっております。
当院では、最新式の直接変換方式フラットパネルディテクター搭載機器を採用しております。
撮影時間の短縮、被曝量の減少、乳房圧迫の軽減、乳房サイズによるキュリブレーション不要など、患者さんに優しい機器に進歩しています
乳房撮影コンピューター検出支援システム(CAD; Computer-Aided Detection)
 CADは,デジタル乳房撮影装置で撮影されたマンモグラフィ画像をコンピューターが解析し,乳癌の特徴である微小石灰化と濃厚陰影を示す領域を検出することで,医師の診断をサポートするシステムです。
 乳癌は早期発見が重要ですが,マンモグラフィーの場合、専門医でも病変の検出が難しいケースも多々あります。医師による読影とこのCADによる検出を併用するダブルチェックシステムで、乳癌の早期発見と検出率が向上すると期待されます。
 当院では京都府の補助を得て、他院に先駆けて2013年春に京都で初めてCADを導入しました。9ヶ月間の試験運用により、当院の診断機器との適合や検出感度の調整を行い、2014年度より本格運用を開始しました。
超音波エコー及びエラストグラフィー
右:超音波エコー(右)
左:エラストグラフィー(左)

乳癌1

乳癌2

葉状腫瘍

 超音波エコー検査は、いろいろな組織の成分や構造のちがいにより、 超音波が反射、減衰、散乱することを利用して、診断に用いるものです。
一方、組織を圧迫したときの変形の程度を弾性度といいます。
乳癌組織は正常乳腺組織よりも3倍以上も弾性度が高い(変形しにくい=硬い)ことが知られています。 通常の超音波エコーでは組織の弾性度の判定は難しいのですが、 超音波エラストグラフィーは組織の弾性度を測定することができます。
この弾性度を計ることで、腫瘍が良性か悪性かの鑑別診断を行います。
 当院では、超音波エラストグラフィー機能を有するエコー機器5台を使用しています。  
超音波自動乳房ボリュームスキャナー (ABVS: automated breast volume scanner)

 ABVSは、乳房超音波エコー検査を自動的に行う装置です。従来の超音波エコー検査は、 初心者では早期病変の検出が難しいという欠点がありました。
 このABVSは乳房を検査漏れがないように、くまなく自動的に検査できるという特徴があり、熟練者による検査と同様の病変検出率が得られる事が明らかになっています。
1. ABVSは、日本ではまだ普及していません。
2. このABVSは従来の垂直1方向の検査に加えて、垂直2方向+水平方向の3方向の検査を同時に行なう事で、病変の3D評価が可能です。この乳房全体の3D画像により、見落としを減らし、診断精度が向上します。
3. マンモグラフィーと比べて、乳房を挟み込み必要がないため、痛みが軽度で、X線被爆もありません。このため、妊娠の可能性のある方でも検査が可能です。

当院では2015年2月よりABVSを導入し、他の画像機器との連結調整も終了し、2015年3月より本格運用を開始しました。ABVSに加えて、通常の医師による超音波エコ−検査も同時に行ない、人と機械によるダブルチェックを行う事で、より精度の高い診断が可能です。
16列マルチスライスC T(Aquilion)
16列マルチスライスCT CT


肺転移
16列マルチスライスCT 3D画像処理 3D画像処理:
緑色が乳癌の進展部分、
赤色が腋窩の転移リンパ節、
癌を養う栄養血管も明瞭に描出されている。

CTは、人体をぐるりと周囲からX線撮影し、それをコンピューターにより処理して、輪切りや縦切りの画像として写すものです。
一般のX線検査ではわからないような肺、肝臓、脳などへの転移、また乳癌の胸壁への浸潤や深い所にあるリンパ節への転移などの診断に有用です。
マルチスライスCTは短時間の撮影で高解像度の画像が得られます。 当院では3D画像処理を行うことで、温存手術をする上で重要な乳癌の進展の程度の診断も行ないます。

OSNA (One-step Nucleic Acid Amplification)システム専用の遺伝子増幅検出装置RD-200
OSNA

従来、センチネルリンパ節の転移の有無の判定は術中迅速病理診断で行われていました。しかし、この術中迅速病理診断の偽陰性率(転移があるのに、ないと診断すること)は5~50%と報告されており、さらに、病理医によってその判定が異なることも報告されており、その精度が低い事が問題とされていました。このため、リンパ節転移を術中に高い精度で、客観的かつ簡便に判定できる新しい方法の開発が望まれていました。
 OSNA法は、乳癌が転移した所属リンパ節で高度に発現するサイトケラチン19(CK19)mRNAを検出することにより、乳癌リンパ節転移の有無を術中に高い精度で判定することができます。OSNA法の最大の利点は、病理診断では通常はリンパ節の単に1切断面のみ(中央部)の検査であるのに対して、OSNA法ではリンパ節全体を検索できることで、このために偽陰性率が非常に少なくなることにあります。判定までの所要時間は30 - 40分と従来の迅速病理診断よりもかなり短縮される事も利点です。当院では、リンパ節を2つに分割し、片方をOSNA法で、残りの片方を病理診断で検査しており、ダブルチェックを行っております。
 当院は、京都でOSNAシステムを導入した最初の施設で、2010年より本システムを運用しております。また、OSNA法による乳癌リンパ節転移検査は2008年11月より保険適用されています。
PDE赤外カメラ (センチネルリンパ節生検用)


センチネルリンパ節
PDEは肉眼では見えない近赤外光を観察するカメラ装置です。 PDEを用いて、乳癌組織に注射した蛍光色素試薬の広がりかたを観察することで、 センチネルリンパ節のある場所を調べることができます。
センチネルリンパ節は癌細胞が最初に転移するリンパ節のことで、 ここに転移がなければそれより先のリンパ節に転移がないと考えられ、 腋窩リンパ節の郭清を省略することができます。
吸引式乳房組織生検装置
吸引式乳房組織生検装置吸引組織検査は、穿刺細胞診で診断がつかない場合や、癌組織の形質分類が必要な時などに行います。3-4mmの太さの針を用いて、腫瘍や石灰化の一部を1-2cmの筒状に採取して病理検査や免疫染色検査を行ないます。
従来はバコラの機器を使用していましたが、本年度よりマンモトームエリートを導入しました。局所麻酔を行なった後、超音波エコー検査で穿刺部位を確認しながら検査を行ないます。通常、30分程度で終了します。
吸引式組織生検は、医療保険上、検査ではなく、手術に分類されております。このため、当院では、手術室で吸引組織生検を行っております。